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仲間を守る!「新・補助系フォロワー」への挑戦⑤

普段の戦い方はそのままで、戦況を判断しながら、ある条件の時だけ別の戦い方に切り替えてくれる、賢いAIを持ったフォロワーがいたなら…プレイヤーにとってこれ以上頼もしいことはありません!!以前に某RPGをプレイしていた時に「ガンビットシステム」の構築にハマってしまった記憶が、思い出されます(懐かしい…)

デフォルトの戦闘AIとは別に、OverridePackageを駆使して…素晴らしい動きを魅せるSLFollowersのように、カスタムAIを搭載したフォロワー製作に挑戦したい!という思いから、アシスの『二刀流』カスタムAIの製作に着手しはじめました。通常の場合は、Actorの設定で「二刀流用のCombatStyle」を持つ者だけが、二刀流になることができるようです。



その過程で、早くも思わぬ難題に直面してしまいました…。アシスのように“盾を所有している”フォロワーは、二刀流専用のCombatStyleを用意しても、滅多に二刀流になる事がありませんでした。NPCのAIは「二刀流」になることよりも、「盾+片手剣」で戦うことを好むようで…わざわざ作成した二刀流CombatStyleが、ほとんど意味を成さない状況に…(汗)

かといって…事前に盾を取り上げてしまうと、盾の扱いが上手いというフォロワーの長所を奪ってしまうことになりかねません。一体、これらを両立するには…どうしたらよいのでしょうか?

そこで今回は、彼らのように「初期装備に盾を持っているフォロワー」が、戦闘の途中でカスタムAIによりCombatStyleを切り替える際に、どうすれば「盾の使用と二刀流を両立する」ことができるのか…?また、カスタムAIを持たない通常のフォロワーの場合にも、二刀流を設定したのに装備を変えたりすると時々、二刀流で無くなるなど…その辺りの理解があいまいだったので、「二刀流の確定条件」を探ることにしました。フォロワーにはデフォルト装備だけでなく、色々な装備を持たせる楽しみもあるので…最終的には、「誰でも!好きな装備で!ここぞという時に!」二刀流になれるような仕組みを確立することを、目標にしています。



【無類の短剣好き】 vol.1~アシスのダガー~前編

カースワステンにて―――。

アシ「(未だ衰えぬ切れ味、魂、殺気……長い歳月と使用者たちの戦いの重みが蓄積されているようだ…。)」



ヴィ「剣の魔力に呑まれるなよ…アシス。」



アシ「さすがは、伝説の名剣・“赤鷲”。手にしただけで、憤怒の力が呼び覚まされそうな感覚だ!!…最近は時間のある時に、ドヴァキン達に“二刀流”を教わっている。以前の俺は『個人的には、小さくて素早く使えるのがいい』とかほざいていた割りに、二刀流はできなかったんだ。」



ヴィ「言われてみれば…そうだったな。お前はいつも…どんなに“優れた片手武器”を何本持っていようとも……頑なに右手には片手剣、左手には盾を装備するスタイルを貫いていた―――」

…後編へつづく。



まずは、いつものように…二刀流に関する情報を集めます。

【事前調査】

<Wikiや口コミの情報>
・『メルセル』、『ジェナッサ』、『ラッヤ』、『フォースウォーン』、『サルモール』は二刀流使いである。

・『つるはし』、『フォースウォーンの剣』、『フォースウォーンの斧』、『ドワーフのメイス』を持たせた時だけ、NPCは誰でも二刀流になることができる。

・盾を持っていると、NPCは二刀流にならなくなる。

<CKのデータ>
事前調査で集めた情報を元に、CKのデータで二刀流が「どのような条件で実行されるか」を考えていきます。

二刀流を使用する代表的なNPCのActorのデータを調べていくと、CombatStyleに特徴があることが分かりました。メルセルは「csMercerFreyMelee」、ジェナッサとラッヤは「csForswornBerserkerLow」、フォースウォーンの強者は「csForswornBerserker」、サルモールは「csThalmorMeleeDual」というCombatStyleを持っていました。全員に共通してMeleeのMisc『AllowDualWielding』に☑が入っていました



※以降、二刀流使い=『AllowDualWielding』に☑されたCombatStyleを持つNPC。また、二刀流使いでない人=一般人、と表記することにします。

彼らのInventoryに着目すると、「初期装備に盾が入っていない」のと「初期装備に片手武器×2本、もしくは、魔力の片手武器のSpellを習得している」という共通点が存在していました。

また、上述のCombatStyleに☑が入っていない型を持つNPCでも、“特定の武器”を装備した時だけは二刀流になることができるようです。



Weaponのデータを調べていくと、EquipTypeに共通した特徴がありました。通常の武器は「RightHand」になっていましたが、これらの4つの武器は全て「EitherHand」に属していました。バニラの武器の中でもかなり少数派で、その他には「ナイフ」、「ワバジャック等の一部の杖類」、「魔力の剣」が該当します。そして、何故か「LeftHand」の武器は一つも存在していませんでした。

【プレテスト】

CKから二刀流に関連がありそうなデータを発見できたので、簡単な方法で条件の絞り込みを行います。

二刀流使いに盾を渡してみました。…すると全員、二刀流でなくなりました。やはり、NPCは二刀流よりも盾を使いたがる傾向があるようです。その理由としては、コメント欄にて教えていただいた(感謝申し上げます!)、GameSettingの「fCombatInventoryDualWieldScorePenalty」という値で、二刀流になること自体にペナルティーが設定されていることが影響しているようです。これによって相対的に、左手装備Slotでは片手武器よりも盾の優先度が高くなっているのかもしれません。



「盾があると二刀流が封じられてしまう」ことが、なんとなく分かってきたので…盾を預かり、プレイヤーが持っていた色々な武器を適当にNPCに渡して、二刀流の時に何を装備するか見てみました。…二刀流使いは、威力の高い片手武器を種類を問わずに、左右の手に装備することができました。一般人は、EitherHand型のつるはしやフォースウォーンの剣などを必ず左手に持ち、右手には持っている武器の中で威力の高いものを好んで使用しているようでした。

プレテストから、徐々に二刀流になるための条件が絞り込めてきました。二刀流使いとは、二刀流“だけ”を専門とする人ではなく、『二刀流“にも”なれる才能』を持つ者を示していたとは…。でも、果たして…本当にそうなのでしょうか?特定の武器を使用すれば、誰でも二刀流できたことから、実は一般人にも装備できるポテンシャル自体はあり…戦闘中に、二刀流になるのは『“Actor側”の設定よりも“Weapon側”の要素で決まっている』という可能性が高くなってきました。そもそも“二刀流”という単語で一括りに認識していましたが、『二刀流=左手に普通の武器(RightHand型)を持つことができる能力』と、言い換えてみるとしっくりきます。珍しいEitherHand型の武器は、利き手を問わない一般人にも扱いやすい装備、ということになりそうです。

左手が盾によって塞がれて二刀流できなくなってしまうのなら……例えば、ものすごい性能の『左手専用武器』を持っていたら、NPCはどうするのだろう?もしかすると、盾の優先度に打ち勝てるかもしれない!



単純に『Damageを100倍』にし、EquipTypeを『LeftHand』に変更したダガーを自作して、盾を持つフォロワーに持たせてみました。すると―――



―――超えた!!!見事に盾の優先度を上回ったらしく、フォロワーは二刀流のみで戦うようになりました。しかも、この武器を所有しているだけで…CombatStyleのAllowDualWielding☑の有無に関わらず、EitherHand型と同様に一般人でも二刀流が可能になるようです。利き手に合わせて鋳造された『左手専用武器』なら、誰でも二刀流できる…!これには驚きました。スカイリム、細部までリアルすぎる…(^o^;)

しかし、このままではチート級の性能であり、盾も全く使わなくなってしまうので…今度は値を徐々に下げていき、左手の装備Slotにおいて『片手武器が盾の優先度を逆転するための“最小値”』を探り出します。

【左手専用武器による二刀流パターン検証実験】

<実験方法>
左手専用ダガーを自作し、それと一緒に種類や性能の異なる複数の武器をNPCのインベントリに入れる。NPCがどのような条件の時に、二刀流になるのかを調べる。また、戦闘時にどの武器を優先的に使用するのかを観察する。

NPCのCombatstyleは「Default」に設定。PerkやSpellは持っていない者…この実験にはやっぱり、「アシス」がピッタリです!!

盾なし+左手専用ダガーなしの場合
一般的な二刀流フォロワーの状態です。Actorに指定したCombatStyleのAllowDualWielding☑がONならば、片手武器が2つ以上の時に二刀流フォロワーになります。アシスようにCombatStyleがDefaultで☑がOFFの場合、複数の片手武器を所有していても、EitherHand型の武器がなければ、二刀流にはなりません。しかし、盾を持っていないので、EitherHand型の武器があれば、それを左手に装備し、通常の片手武器(RightHand型)を右手に装備して二刀流できます。AllowDualWielding☑は、通常の片手武器(RightHand型)をEitherHand型として扱えるという意味かもしれません。

盾なし+左手専用ダガーありの場合
盾を持っていないのでEitherHand型かLeftHand型の武器があれば、二刀流可能でした。“武器の攻撃力”が二刀流の際に「どの武器を使用するか」に大きく関わっている模様。LeftHand型がEitherHand型よりも優先されるなどということは無く、所有しているEitherHand型かLeftHand型の中で最も攻撃力が高い武器を左手に持ち、右手も同様に最も攻撃力が高い武器を選択していました。

※インベントリ内に両手武器も入っている場合、上記の片手武器の攻撃力が低く(鉄のダガーとつるはしなど)両手武器の攻撃力が高くて差が大きい時は、AIが両手武器を優先し、二刀流をする頻度が低くなりました。Meleeには「片手武器」と「両手武器」の両方の意味が含まれているようです。弓はRangeに属するので、弓を持っているからといって二刀流が妨げられる可能性は低いです。(CombatStyleのEquipmentScoreMultの方の問題)

盾あり+左手専用ダガーなしの場合
これが通常の状態です。二刀流使いでも、ほとんど二刀流になりませんでした。EitherHand型のつるはしや、フォースウォーンの剣などを複数持っていても変わりません。左手が盾で塞がれていると、EitherHand型が“RightHand型”として扱われる可能性があります。AIはより攻撃力が高い武器を「右手で」持ち換えることに、終始するようになってしまいました。

盾あり+左手専用ダガーありの場合
今回の実験の最重要ポイントです。LeftHand型の片手武器を自作することで、盾使いと二刀流の性質を共存させることができる可能性があります!!ざっくりとした条件で絞り込みのプレテストしてみたところ、こちらも武器の攻撃力が二刀流の可否に大きく関わっていました。片手武器同士の優先度に加え、左手の装備slotでは「盾vsLeftHand型」で優劣が決められているようです。LeftHand型ダガーの攻撃力が低いと、盾の優先度が上回るためか、左手が必ず盾になり二刀流にはならなくなりました。もしかすると、右手に装備している武器の威力も関わっていそうで、とても複雑で難解な予感…。

【盾vs片手武器の優先度判定実験】

地道に値を設定して、装備の優先度判定と持ち替えの仕組みを解明することにしました。


<NPCに持たせるWeaponのデータ>
⓪アシスのダガー:Damage(Dmg)とDamagePerSecond(DPS)は実験により変動。
①ナイチンゲールの剣:Dmg=14、DPS=14
②黒檀の剣:Dmg=13、DPS=13
③碧水晶の剣(灼熱):Dmg=12、DPS=12(付呪込みだと②を上回る性能)
④スカイフォージの剣:Dmg=11、DPS=11
⑤フォースウォーンの斧(Either):Dmg=11、Speed=0.9、DPS=9(9.9)
⑥つるはし(Either):Dmg=5、Speed=1.3、DPS=6(6.5)

他の武器との関連性も同時に調べたいので、スカイフォージの両手剣、ウースラド(両手武器)、ナイチンゲールの弓など、強力な武器も一緒に入れておきました。

アシスのダガーのDamageを12にした場合
Speedが1.3なので、DPS=12×1.3=15.6(CKの表示上は15)となる。これはデイドラの剣の14やドラゴン骨の剣の15を上回り、片手武器の中で最高値(実際には、最大Lvで取得したミラークの剣のDPS=16がバニラでは最大)。
優先度が、盾<LeftHand型になりました。左手は必ずアシスのダガーになりました(=二刀流)。右手の武器は、①ナイチンゲールの剣(デイドラ)、②黒檀の剣、③碧水晶の剣(灼熱)、④スカイフォージの剣、⑤フォースウォーンの斧、⑥つるはしの順。所持している盾の種類や防御力は特に関係ないようでした(イスグラモルの盾〜皮の盾で変化なし)。付呪で威力が上回る碧水晶より、黒檀の方が優先されました。
→盾、付呪、鍛冶の違いは、特に影響を及ぼしていない。WeaponのDamage(基本ダメージ)か、DamagePerSecond(1秒当たりのダメージ)が主な要素と推測。

アシスのダガーのDamageを10にした場合
Speedが1.3なので、DPS=10×1.3=13となります。この結果には一番衝撃を受けました!!まず、盾+①ナイチンゲールの剣で戦う戦術を取っていました。①を回収すると、盾+②黒檀の剣で同様の戦術。さらに②を回収すると……アシスが非常に賢い戦術を披露してくれました!!近距離の場合には、「盾+③碧水晶の剣」の通常スタイルと、「自作のダガー+③碧水晶の剣」の二刀流、そして「ウースラド」の両手持ちという、“3つのパターン”を高頻度で持ち替える『オールラウンダー』になったのです!!盾と二刀流の頻度が五分五分に…!その後の変化ですが、④以降は全て「自作ダガー+片手武器での二刀流」になりました。

このことから、NPCが二刀流するかを判定しているAIは、左手の装備Slotの「盾vsLeftHand型」で決めているのではなく、「左右の手に装備し得る武器の中で、最も攻撃力が高い武器をそれぞれ決める」→「左手と右手のどちらの攻撃力が高いか」によって判断されていることが分かりました!右手の方が攻撃力が高い武器を装備できる可能性がある場合は、“盾+片手剣スタイル”を取り、左手の攻撃力が高くなりそうな場合は、“二刀流”になります。そして、左右の威力に差がほとんどない場合には、”盾とLeftHand型の優劣が逆転する現象”が頻繁に起こるようです。

この“左右のわずかな攻撃力の差”を上手く利用すれば、フォロワーが盾を持っていても二刀流も多用する戦い方にすることができそうです。

アシスのダガーのDamageを8にした場合
Speedが1.3なので、8×1.3=10.4(表示上、DamagePerSecondは10)となります。①~④までは盾+片手武器スタイル。⑤フォースウォーンの斧と⑥のつるはしとだけ、二刀流可能でした。攻撃力に関しては、Dmgが11で同等の④スカイフォージの剣と⑤フォースウォーンの斧との比較では、必ず④の方が優先されていました。また、⑤とアシスのダガーとの比較では、Dmgが低いアシスのダガーの方が優先されました。よって、Dmgに依存しているのではなく、Speedも加味した“DPS”の方が決め手になっているようです。

以上の結果を踏まえると、アシスにスカイフォージの剣を使って二刀流してほしい場合は…Dmg=9と設定し、DPS=9×1.3=11.7にすることで、アシスのダガー(左手)>スカイフォージ(右手)が11.7>11という関係になるため、二刀流スタイルにすることができます。元にした「スカイフォージの鋼鉄のダガー」よりも、わずかに性能が良くなってしまいますが…アシスは短剣にこだわりを持っているので、良しとしましょう…。

【二刀流の検証実験:まとめと考察】

始めに予想したことを振り返ってみます。バニラのデータ上では、「盾+片手武器>二刀流」のような関係になっていると思っていました。でも、実際には…

『RightHand型の武器が圧倒的に多いため、たいていの場合はインベントリ内の装備品の組合せにおいて、EitherHand型(左手にも装備できる)の武器よりもRightHand型が威力を上回り、二刀流にはならず、盾(左手)+片手剣(右手)のスタイルが二刀流よりも優先する。』

…という原理になっていたようです。

※所持している武器の威力が同等の場合、自作の武器や鍛冶で強化した武器よりも、手を加えていないデフォルトの武器の方が優先される傾向がありました。

まだ他の判断要素が加わる可能性もありますが、二刀流は『所有している武器のDPS』に大きく影響を受けることが分かりました。

バニラには存在しないModで導入した装備に対応させるには、CKで該当するWeaponのEquipTypeを「Left」に変更し、「右手に持たせたい武器より左手の武器のDPSがわずかに高くなるよう調整」すれば、盾も使いこなしながら、かっこいいMod装備を両手に持たせて二刀流させることができそうです。どちらにも傾かない絶妙な“中間値”が重要と考えられます。

注意点として、このLeftHand型武器をCKでバニラのActorのInventoryの初期装備に直接入れてしまうと、Quest等で途中から付与される武器との相性によって、フォロワーが盾を全く使わなくなったり…、二刀流のみになってしまったり…、他Questの妨げになったり…、という危険もありますので、プレイヤーがフォロワーにした後に手渡すのが一番だと思います(要らなくなったら必ず回収)。



アシスで試したところ、同胞団Quest冒頭の「ジョルバスクルでのンシャダとの殴り合い」で、おもむろに懐からナイフを取出し…左手に装備してグサリ!!という事件が起きてしまいました。彼らはScriptによって武器(スカイフォージの剣)を取り上げられた状態で、安全に殴り合いをしていたようです。Propertiesで初期装備の武器が直接指定されていたので、自作したダガーは対象外になってしまうようでした!(危)

それから、バグのような事象ですが、LeftHand型武器を全く武器を持たないフォロワーに持たせると、何故か右手にも複製されて二刀流のモーションになります。ですが、見た目だけの変化のようで…実際には左手でしか攻撃できないようでした。素手(右手)の攻撃もできなくなってしまうこともあるようです。『素手の状態の時に、LeftHand型武器を使用する』のは、バグの原因になるため…危険です。プレイヤーが使うと、右にも左にも装備できるようでした。このことから類推すると…バニラにLeftHand型がないのは、上記の問題と、左手に装備してしまうのでNPCがガードモーションを取れなくなるためであると考えられます。盾とガードの“防御”が左手に固定されていることが、二刀流を出しづらくしていたのでした。これはもう…仕様なので受け入れるほかありません。一部のクリーチャーなどに魔法の利き腕があるのは、特殊な攻撃方法を片手に集中(固定)させるためであり…それらと同じ理由のようです。

今回はCombatstyleがDefaultの時で実験しました。バニラのNPCで使用者が多いので、自作したLeftHand型武器を与えることで、色々なNPCをActorの変更を加えずに二刀流にできる可能性を秘めています。しかし、まだ他の全てのCombatstyleの時にどう適応されるのかについては、はっきりと把握できておりません…。併用できる利用方法としては、EquipmentScoreMultの値を調整して、「弓を使う率を減らして、二刀流に特化」させたり、「魔法や杖と二刀流の共存」なども図れるかもしれません。片手武器と同様に持つことができる“杖”との関係性も未確認です(杖はEitherHand型も色々ありました)。素手との併用については…カスタムAIで制御する方法以外、何も思い浮かばないので、また別の機会に考えようと思います。

<備考>
Perkによる影響
→Perkの影響についても、おおまかに様子を見てみました。片手武器Perkなしの場合と、アームズマン0と80を持った状態で比較。結果的に、Perkによる火力の上昇は持ち替えには影響がないようでした。要素同士の複雑さが無くて安心しましたが、Perkによって制御できる可能性は低いということになり…少し残念です。

鍛冶による影響
右手には、鍛冶強化された攻撃力の高いものを装備したがる傾向がありました。EitherHand型で二刀流になった場合、左手にそういうこだわりはないらしく、通常のつるはしと強化したつるはしでは、通常の方を使用していました。

付呪による影響
色々な付呪は試せていないのですが、今回の実験では、ダメージ加算型の炎の付呪は、二刀流の武器選定には影響が出ませんでした。Weapon側の要素では、DPSのみが影響を与えるという意外にシンプルな仕組みになっているのかもしれません。

武器の持ち替えの規則性
ターゲットがNPCの行けない領域(Navmeshのない場所)や高低差によって、いきなり距離が離れた場合、武器の持ち替えが行われました。近距離の場合は、盾+片手武器or二刀流→両手武器になり、リーチをできるだけ長い武器に持ち替えて攻撃を当てようとします。遠距離の場合は、弓や魔法に切り替えようとします。二刀流の場合は、中距離を開けると一時的に、盾+片手武器になるか、両手武器になることもありました。(その場合、少し戦った後またすぐに持ち替えて二刀流に戻りました)



以前にコメント欄にヒントをいただいたのですが(またまた感謝申し上げます!!)、二刀流の要素の一つとして考えられる「距離」の影響は、GameSettingの「fCombatInventoryShieldEquipRange」という値で256という範囲に定義されていることに起因するようです。カスタムAIのPackageを作る際に、この距離間が重要になってきそうです。

NPCのAIは周期的に現在の装備を確認するようになっていて、持ち替えにもタイミングがあるように感じました。そのタイミングが訪れたときに、「インベントリ内にある装備のDPS」「敵との距離」が何を装備するのかの重要な判断要素になっているようです。


二刀流になる条件が少し分かってきたので、次回は上述の方法とカスタムAIを用いて、「二刀流を制御する方法」について考えていきたいと思います。




【無類の短剣好き】 vol.1~アシスのダガー~後編

アシ「何故かって…?!今までは…左手に“盾”よりも扱いやすいタイプの“短剣”が見つからなかったからだ。俺はいつも戦闘中に最適な装備を判断して、戦っている。」


ヴィ「そのようだ。」

アシ「だから…旅の出発の前にエオルンドに頼んで、新たな懐刀を打ち直してもらったんだ。握りやすい“左手専用の短剣”をな…。これだ!…とくと見よ!!」

ヴィ「それか?刃を修復したのか?」

アシ「盾があっても、この懐刀を持っている時は…自然に二刀流したくなるのさ!!」
 
 

ヴィ「なるほど、持ちやすい!…実戦でも左手で扱いやすそうだな!!」

アシ「手際良く攻撃でき、切れ味も鋭い。クジラに立ち向かうタチウオのようにね。」

(回想)

ホワイトラン、ジョルバスクル。リーチへの旅、出発前―――。



エオ「ウースラドを鍛え直した時、残った鋼で造った短剣だ。旅に持って行くと良い…イスグラモルがお前を守ってくれるだろう。」

アシ「ありがとう。必ず有効な使い方をしよう。」

平野地区、市場―――。



アシ「さてさて…短剣を新調したことだし、午後は旅の前に中庭で足ならしでもするか。…これまでの“パンかじりの日々”ともお別れだ。何とも寂しいねェ…!!」

ラーズ「おじさんのその“小さな剣”、かっこいいね!…少し持ってみてもいい!?」

(スッ…!)



アシ「お、おい、小僧!…ちょっ、待…。」

ラーズ「わ~い!」



アシ「なんてことだ…(汗)」

衛兵「…スタアアアアップ!!武器を子供に手渡すとは!…お前はスカイリムとその民に対して、―――」

…つづく。

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