【結婚生活と恩恵】
配偶者の「住まい」の問いに対して返答した後、「配偶者の家に行く(実際には、セルのロードを挟んで決定した場所へ入る)」という条件をクリアすることで、結婚生活のQuestStageが再び進行。
『半同棲』から
『同棲』にランクアップ。夫や妻として、プレイヤーに尽くしてくれるようになります。具体的には、「自宅にいる時に“商売”を始める」、「“稼ぎ”の一部を渡してくれる」、「“家庭料理”を作ってくれる」、「(養子がいる場合)“子供たちの様子”を教えてくれる」、「一緒に寝て“恋人の癒し♡”を与えてくれる」などです。
アシス「とりあえず、“ダイニング”の改装だけは終了したぞ。一休みしよう!…フフッ、こうして眺めてみると……」
道化エルフ「やはり、道化の目に狂いナシ!!…ふ~ん、お前が“商店”を開業か?話術スキルを磨く、良い心掛けジャないか。ニルヴァも、きっと喜んでるだろうヨ!」
結婚生活Quest:「RelationshipMarriageFIN」の優先度は「45」。したがって、配偶者NPCが『フォロワー』の場合、雇用することで一緒に旅行や冒険に同行してもらうことが可能です(デフォルトの雇用Questは「50」のため)。『商売』は、“同胞団と魔術師ギルドに属するNPC以外”なら、自宅(実家や購入した家)の室内に居る時だけに始めるようです。『稼ぎ(収入)』の受け渡しは、商店の有無には左右されず、独立した処理になっていて、24時間置きに発生します。『家庭料理』も同様に独立しており、旅先でも作ってくれるみたいです。前回でも少し触れましたが…『恋人の癒し♡』は、配偶者が同一の場所(Location)に居る時に眠れば、別々のベッドで眠ろうが…どんな所でも受け取ることができます。
【様々な結婚生活の形】
考え得る範囲で、結婚生活のパターン調査を試みました。以下はほんの一例であり、さらに他のQuestに携わっているNPCの場合には、異なる挙動を示す可能性もあります。しかしながら、「結婚可能になる=そのNPCが携わるQuestがほぼ完了した後である」と思われるので、最も注意すべき問題は、両方とも“NPCが後天的に役割を獲得するQuest”である「ブレイズ」と「結婚」との関係性に絞り込めます。
【通常の結婚生活】
結婚式の後、「どこで暮らすか?(住まいの決定)」を伝える時、「①配偶者の実家」、「②ホールドに購入した家」、「③自分が購入した土地に建てた邸宅(要DLC)」の3通りの場所を指定できます。②や③のような“持ち家”を所有していない場合には、必然的に①を選択することになります。プレイヤーが話しかけて指定しない限り、配偶者は「結婚前に自分が住んでいた実家」、もしくは、「高優先度QuestAliasのAI」で生活します。
結婚後の配偶者は、指定した家に『定住』します。筆者は長いこと、全てのDLCを導入した状態でスカイリムをプレイしているので…どの辺が変わったのかをあまり体感できていないのですが、DLC:『HearthFire』で新規に追加された要素があり、「養子」や「邸宅の建築」などは、後から可能になったようです。関連する処理を探しつつ、一通りCKでデータを閲覧しました。
『住まいの決定』について。例えば、「ホワイトラン(任意のホールド)の家に住もう。」と配偶者に伝えると、実家とその他のホールドでの生活用Aliasが、Scriptによって配偶者に被されるAliasの候補から削除され、
“会話で決定した任意のホールドでの生活用Aliasだけ”が残ります。
残ったAliasを被って「ブリーズホーム」で暮らすという仕組みになっているようです。「配偶者の実家」を指定した場合には、
『SpouseHouse』というAliasが残ります。このAliasだけは特殊で、
“生活用AIPackageが何も設定されていません”。
以上の理由から、実家で暮らすようになっている時は、配偶者のActorに「直接設定されているAI」や「優先度の高いQuestAliasのAI」に従った場所で、
“その人らしい生き方”で行動していたようです。
配偶者の「住まい」を指定した家から別の場所へと変更する、いわゆる
『引越し』もできます。『HearthFire』では、「RelationshipMarriageFINHouseChoiceTopic」の「どこかに引越しをしたいな。」という対話に、新しく“3つの邸宅”が追加になりました。全てのホールド用の対話が用意されたので、邸宅を手に入れ次第、対話の選択肢が出現します。既に家を所有しているデータでも、後からDLCを導入して、建築した邸宅に引越すことができるように、ベセスダが配慮してくれのだと思います。―――そして、この
『引越し』こそが…今後の製作の重要な“鍵”を握っていたとは……思いも寄りませんでした!
【同胞団の結婚生活】
通常の場合、同胞団に入団しているNPCと結婚しても、生活になんら支障はありません。ここでは、筆者が製作中の『同胞団拡張Mod』に搭載した、「自作Questの生活改善AI」が適応された時に、デフォルトの「結婚生活AI」との相互関係がどうなるのかをテストしました。結論から述べると…配偶者であるアシスは、『住まいの決定』における指定場所の違いにより、全く異なる動き方をすることが判明しました!
まず、「①配偶者の実家(=ジョルバスクル)」を指定した場合、アシスは結婚生活Quest(45)の「SpouseHouse」というAliasを被っていますが、このAliasには特にAIが設定されていないため、下位の自作Quest(0)のAIに移行。改善した生活AIのスケジュールに従って、“訓練や冒険”などを精力的に行います。
デフォルトの仕様になりますが…「ジョルバスクル」は、個人の“持ち家”とは少し違った“特殊なタイプの実家”であるため、
「完了:配偶者の自宅へ行く」という
表示が出ないようです(魔術師大学も同様。個人の物件であると、印象付けたく無い背景が…?)。一番最初にアシスの「住まい」として①を選んだ場合、特定のFactionが付与されず、商売を行ってくれません。(下図の「SpouseHouse」、AliasFactionsを参照。)
しかし、この状態から「フォロワーとして雇用」した場合に、一時的に商人としての潜在能力に目覚めてしてしまうようで、会話に「どんなものを売っているんだ?」という選択肢が追加されます。(一種のバグだと思われます)
「折角、2人の住まいに到着したのだし…商店でも始めようか!」という前置きの“独り言”も無しに、「いつの間にか旦那が…こっそり商店を始めていた!」という現象が起こります(笑) 働いた分の「稼ぎ」は、同棲開始の時点から渡してもらえるようです。同胞団の場合は、“商売の儲け”が…まるで“戦士の給与”のように思えてきて、良い生活感を出しています。(でも…やっぱり安い……)
ニルヴァ「(!!?)あなた…いつの間に、“お店”を始めていたの?」
ちなみに、この時のアシスは…所持金0G。「商人の資本金」である750Gを持っておらず、品ぞろえも「個人の私物のみ」の※不完全な状態の商人です。
※持ち物のやり取り可能なアシスから買うのは、所持金の無駄です。物を売っても彼の利益には加算されません。「アイテムを地面に捨てずに処分する」役割しかありません。
ブログのストーリー展開と不思議なまでにリンクしていました…。先走って商売を始めてしまったものの、まともな仕入れができず、売るものすらロクに無いという…カツカツの“駆け出し商人”でした。
次に、「②購入した家(=ブリーズホーム)」を指定した場合、アシスは結婚生活Quest(45)の「WhiterunHouse」というAliasを被り、デフォルトのAIに従って、自宅にずっと居続け、“専業主夫”らしく振舞います。「家庭料理」を作ったり、時には夫として妻との「癒しの時間♡」を過ごしてくれます。
ニルヴァ「お店では何を売っているの?私も“スクゥーマに関する手記”を執筆してみようかしら。」
今度は副業の「商店」も、
「完了:新しい家、ブリーズホームへ行く」の表示と同時に、様々な
『VendorFaction』を得られたおかげで「商人」として成長し、本格的に経営し始めました。「商売」は、VendorFactionが設定されているAlias(配偶者の実家以外の持ち家)の場所で行うのが基本であり、フォロワーとして外へ連れ出した場合には、①のような“不完全な状態”の商人になります。
―――ここからが重要です。先程述べた
『引越し』が、非常に興味深い役割を果たしてくれました!!『引越し』によってアシスの“住まい”を変更すると、
『上記①と②のAIを簡単に切り換えることが可能』だったのです!!
「ブリーズホーム⇒ジョルバスクル」に2回目の『引越し』するよう、伝えてみました。新居を出たアシスの後を追います。早速、部下たちと“夜間訓練”をしていました。簡単な操作で、「主夫の行動⇒戦士の行動」へと配偶者のAIが切り替わっています。行動は“戦士”に変化しますが、“主夫”の性質は、“AI以外”失われません。
特別な設定やModを用意した訳では無く…元々の仕様を活かし、“配偶者に話しかけて「住まい」の場所を指定し直す”だけ。
「自作した生活改善AI」が組み合わさることで…
“外の世界”への遠出が可能に。そして、アシスはただの「専業主婦」ではなく、慣れない土地に嫁いできたニルヴァを支えながら、同胞団の活動も兼務する
『兼業主夫』へと生まれ変わりました!!自宅から外に出て、仕事場(自作AIの旅先)へときちんと“出勤”するところが、デフォルトと違ってかなり面白い挙動です(^^)
薄給である同胞団の仕事で家計を支えているため、決して豊かではありませんが…ニルヴァとのささやかな幸せを大事にし、アシスは人生の春を謳歌していました。
【結婚からのブレイズ生活】
そんなある日、アシスに転機が訪れます。―――ブレイズへの復帰入団。新婚生活に現をぬかし、以前よりも戦士として…すっかり丸くなってしまったアシスに喝を入れるため、同胞団のメンバーが再びブレイズに誘いに来ました。部下たちが収集したドラゴンの骨や鱗を売り、リフテンのプローン質屋から「ブレイズ装備一式」を買い戻して来たのです。
(~回想~)ブレイズの大型新人、登場
ドラゴン「ギャオ……!!ガバァッ…!!!」
スレンドラ「くっ…俺たちの間合いでは、届かんッ!!(はっ??あいつ…すげぇ怪力!重装と両手武器を装備しながら、いつの間にドラゴンの頭上へ…!?)」
リディア「ウォーッハァーッ!!(ガスンッ…!!!)」
アシスの代わりに私兵の「リディア」さんをブレイズの“臨時メンバー”(フォロワー雇用)に加え、
「ドラゴン狩り(46)」を淡々とこなしていました。従士任命の際に授かった、“ホワイトランの斧”を差し上げたところ…これがまた強い!―――ハドリアもスレンも「間に合わない!!」と覚悟した瞬間、道化エルフが喰われる一歩手前で、リディアさんの戦斧がドラゴンの後頭部に振り下ろされ、九死に一生を得ました。
道化エルフ「キヒィッ…危うく“首なしピエロ”になるところだった!(ヘラヘラ♪)バケモノの相手は…もうたくさんダ!!ドラゴン語はそれこそ、“かじった”程度ダカラ。人間や動物と違って私の“操作能力”が通用しナイ!グレイビアードが言ってた、“ドラゴンレンド”とかいう声を習得できない限りはネ……だから、それまでしっかり守ってヨ。」
ハドリア「…笑い事じゃないわよ、グズ。盾の同志は、“各々が責任を持つ自立した戦士”。これが“同胞団”の仕事だったら…今頃、あなたはドラゴンのおやつね。」
道化エルフ「ケケッ!便利な常套句だネ。ソリチュードで、“導き手”に罪の責任を全て擦り付けたのは…どこのどいつだったかなァ?」
スレンドラ「あんた…まだ根に持ってたのか。本当に陰険な奴だな……」
―――(回想終了)
ニルヴァもホワイトランでの暮らしに慣れてきたようなので、生活苦を抜け出すために、アシスがブレイズとして『掛け持ち』を始めることを、二つ返事で了承してくれました。リディアさんは私兵(家政婦)に戻り、アシスと交代です。
しかしながら…アシスは、最初のうちは「ブレイズAI(45)」よりも「結婚生活AI(45)」を優先し、スカイ・ヘヴン聖堂に生活拠点を移そうとしませんでした。入団のために、聖堂まで連れてきたものの、“ブレイズの誓約”を終えると…そのまま、ホワイトランへ直帰。これが、デフォルトでの相互関係のようです。
次に、自作Quest(46)が加わった時の影響をテストしました。指定した同胞団の活動日(月・火・木・金)以外のブレイズの活動日(水・土・日)には案の定、自宅で“主夫”をやっていました……。デフォルトの
「結婚生活」と「ブレイズ」のQuestの優先度が(45)で等しい値になっている事が競合を引き起こし、「結婚生活AI>ブレイズAI」になっているようです。
同胞団の活動は、ジョルバスクル(配偶者の実家)に住まなくなってからも、定期的に自作Quest(46)のAIが作動して、冒険や訓練をしに通ってくれるのでOKでしたが、デフォルトのブレイズQuest(45)の“AIだけ”が、結婚生活Quest(45)に上書きされてしまうようです。しかし、“AI以外”の装備や組織への所属(Faction)などは、正式にブレイズになっていました。
アシス「立派な肩書は得たし、何も心配ないさ。
“ブレイズの特殊な依頼”が来ない限り、俺はこれまで通り…ニルヴァの傍で暮らすよ。ハハハッ…!!」
ニルヴァ「アシス、ありがとう。私に気遣ってくれたのね…毎日無事を祈って、剣を磨いておきましたよ。(でも、ブレイズの仕事場にはもう…通わなくて良いのかしら?)」
ブレイズQuest(45)のAI行動、例えば…「スカイ・ヘヴン聖堂のパトロールや中庭でのデルフィンとの訓練」などには、新人なのにまるで参加しなくなってしまったので…ブレイズ側からしてみれば、身勝手な“既婚者”が入団してくるなんて…言語道断。単に大迷惑な話でしかありません。唯一、優先度が1だけ高い
「ドラゴン狩りQuest(46)」には、集合してくれました。自分からいつでも会いに行けるプレイヤーに、フォロワーとして追従してくる時はまだ良いとしても…新生ブレイズの一員なのに、マスターのデルフィンやエズバーンと自主的に顔を合わせる機会が、ほとんど無くなってしまいます。
何か改善が必要だと考えた末、先程のように…この状況で、「②購入した家」から再度
『引越し』をして、「①配偶者の実家」に戻るように指定した場合、もしかしたら、“スカイ・ヘヴン聖堂”の方に行ってくれるかも?という案が思い浮かんだので、早速試してみました。―――すると、予想外の変化が起こりました!!
アシスは、ブレイズ入団後に会話で「ブリーズホーム⇒配偶者の家」へと『引越し』を行うように伝えると、彼にとっての「家」=「配偶者の実家(SpouseHouse)」の認識が、「ジョルバスクル⇒スカイ・ヘヴン聖堂」に置き換わるようなのです!そして、アシスは…そのまま“スカイ・ヘヴン聖堂”に『永住』してしまい、二度と他の場所への『引越し』ができなくなってしまいました。こうなってしまったら最後…共に生きるためには……ニルヴァ(プレイヤー)もブレイズになる覚悟を決めるしか無さそうです。(注:戦闘のド素人がいきなりブレイズ入団なんて、冗談じゃありません。または、アシスを“レギュラーメンバー”として、ずっと傍に雇用し続ける方法もアリ!)
アシスのブレイズ活動を何とか開始できましたが、別の問題発生です!!同胞団との両立は可能でも、『引越し』が不能になり、結婚生活の充実度が低下しました。何より、大金で購入する「持ち家」に住まなくなる点が、どうしようもありません。5000G分の家を捨て、リディアさんにブリーズホームを丸ごと差し上げたも同然。まだ養子が居なくて良かったです…。自分の子供たちの世話を私兵に押し付け、“リディア式・戦士教育”を受けさせることになってしまいます。(その方が良いかも…)
現段階での憶測になりますが…一番最初に住まいを決める時だけは、優先度が等しくても「結婚生活Quest(45)」の方が優先されるようですが、その後に「住まいの変更」が実行された場合に、Questの優先度が入れ替わり、「ブレイズQuest(45)」に上書きされてしまう処理になっているのかもしれません。
以上のような少し複雑な挙動を示したので、「Quest同士の優先度が等しい場合、どちらのAIが優先されるのか?」について、さらに詳細な検証の必要性が出てきました。今度は、結婚とブレイズの順番を入れ替えて試してみたいと思います。
【ブレイズからの結婚生活】
先程とは異なり、アシス(フォロワー)を既にブレイズに入団させている状態のデータで、「結婚」を申し込んでみました。
始めに、デフォルトでの「ブレイズ」と「結婚生活」の相互関係を調べました。手順通り早々と済ませたところ、彼はスカイ・ヘヴン聖堂へと帰って行きました。婚前にブレイズに入団した時点で、「ジョルバスクル⇒スカイ・ヘヴン聖堂」に、配偶者の実家の認識が置き換わり、既にブレイズの拠点で生活していたからなのでしょう。プレイヤーの「持ち家」がある場合に、その場所へ帰るように指定すれば、彼はそこで暮らすようになりました。先程のように、最初の拠点にこだわる様子は見られず、プレイヤーが指定した場所に素直に移動してくれるようです。
真のドラゴンボーンである
SLFのドヴァキンさん達を、ブリーズホーム(持ち家)に招いたアシス。この後の指示次第で、スカイ・ヘヴン聖堂(配偶者の実家)へ戻ることも出来ました。
次に、自作Quest(46)との相互関係を観察しました。結婚生活Questの優先度(45)。ブレイズQuestも同じ(45)。自作のQuest(46)。式場で「住まい」の返答をしなかった場合は本来、Actorの行動より上位のブレイズQuest(45)によって、スカイ・ヘヴン聖堂で暮らすはずですが…自作Quest(46)を作ったので、そちらのAIに応じた場所へ戻ります。AIの判断としては自作のQuest(46)で、毎月の冒険や同胞団の日常生活が最優先されます(月・火・木・金)。その期日に該当しない日には、スカイ・ヘヴン聖堂でのブレイズ生活を送ります(水・土・日)。戻った彼を見つけて「住まい」の返答をすると、こちらでも…指定場所を拠点にして暮らしてくれました。
前者と後者の結果と比較してみます。前者のように「結婚⇒ブレイズ」の順にしてみると、必ず「結婚生活Quest>ブレイズQuest」となりましたが、後者のように「ブレイズ⇒結婚」の順にしてみると、柔軟な対応を示したので、Quest同士の上下関係があるとは一概に断定できないようです。どちらが優先されるのかは、「単に“実行順序”に従っているだけなのか?」、または、「婚前に配偶者が認識している“実家の場所”に依存するのか?」…現時点では謎のままです。最後に、重要な“鍵”としての役割が期待される『引越し』を実行し、自作Modへの影響をこちらでもテストしてみました。すると、驚くべき違いが―――
「ブレイズを先、結婚を後」と実行順序を逆にすれば、配偶者の「住まい」の変更が一度きりになってしまう、『引越し不可能』という縛りが―――無くなる!!!
つまり、もしフォロワーに「ブレイズに入団させる&結婚して配偶者にする」という両方の立場を獲得させたい場合には、順番を間違えてはいけないという事実が発覚しました!!一生同じ場所に住まわせる場合には、問題ありませんが…不意に誤ってしまうと、以降の『引越し』が正常に行えなくなってしまうのです。その後の選択肢を狭めないためにも、『ブレイズに入団させてから、結婚するのが鉄則』と心掛けておくと良さそうです。(まさに、スカイリムの“玉の輿婚”!!)
【結婚生活とブレイズの両立方法】
検証の結果と考察をフローチャートにまとめました(CKで見た時に検索しやすいよう、苦手ながら…英語表記にしました)。アシスの脳内における“AIの推移”を表しています。
左側は「結婚⇒ブレイズ」。右側は「ブレイズ⇒結婚」の順に実行した場合です。【】は配偶者NPCの状態。色付きの囲いはQuestで、2つの「FRKCompanionsAnotherLifeQuest」が自作Questです。斜体で書かれた文字は、NPCの住まいや滞在場所。()の数値はQuestの優先度。矢印はAIが辿り着く道筋と流れで、紫色はConditionsの抜け道、赤色は『引越し可能』、青色は『引越し不能』を示しています。優先度の高い順(上から下)にAIの判断が流れて行きますが、矢印で結ばれていないQuest同士は、開始から終了までAIが下に移行しません。Questが「開始していないor終了したら」、ダルマ落としのように囲い(Quest)事体が消える、とイメージしています。
左から1番目と3番目は、結婚とブレイズを「掛け持ち」していない状態であり、デフォルトの仕組みに規則的に従ってくれるので、配偶者NPCが実家(SpouseHouse)とそれ以外の持ち家(Player'sHouse)の指定や引越しに伴い、「どこで生活するようになるか」を把握しました。
左から2番目と4番目が、結婚とブレイズを「掛け持ち」している状態であり、自作Modへの影響を“最も明らかにしたかった項目”です。2番目のパターンでは
『引越し不能(青矢印)』になることがあるので、気をつけなければなりません。
4番目のパターンが
安定で
行動面に柔軟性を感じられました。
単純にこの『順序の鉄則』を理解しただけで、フォロワーに面白い「掛け持ちAI」で活動を行わせることができるようになりました。例えば4番目のパターンでは、アシスの場合「配偶者の実家」を指定すれば…“スカイ・ヘヴン聖堂(ブレイズQuest:45)”に出張しながら同胞団の活動(自作Quest:46)をしてくれて、ブリーズホームなどの「購入した持ち家」を指定すれば…“ホワイトラン”で主夫(結婚生活Quest:45)をやりつつ、同胞団としても働く(自作Quest:46)―――というように、いつでもプレイヤーの希望によってフォロワーの活動の幅を広げ、“3つの拠点”での活動を制御することが可能になります!
言い換えれば、『○○へ引越しましょう!』は、間接的な表現として…配偶者に「ブレイズに単身赴任に行って来てほしい」or「しばらく家庭で私を支えてほしい」という、プレイヤーの願望を伝え、『配偶者の活動を司る“AIの切り替え”を促す、一種の意思表示の選択肢』に代用できるのです。単身赴任中は、ブレイズ活動に専念するため自宅には戻って来ませんが、同胞団としてのスケジュールの優先度は高くしてあるので、彼らがジョルバスクルにやって来る曜日を待ち、『引越し』たい旨を伝えれば…自分から遠くへ会いに行かなくても、配偶者の「住まい」を簡単に変更することが可能です。
エズバーン「フフッ…そう力まなくても良い。家族の事を大切にしなさい。(パタンッ…)これを。ブレイズの一員である以上、常に出撃の時に備え…どこに居てもドラゴンの動きや文献に目を光らせておく習慣だけは、怠らずにな。」
“同胞団”の正規メンバー、兼、家庭の“主夫”。“ブレイズ”の訓練にも参加し…派遣労働で“ドラゴン狩り”までやってのける器用さを獲得してしまうとは…!!3つの組織を「掛け持ち」しながら働くアシスが、過労死しないか少し心配になってきました……(汗) ニルヴァ(プレイヤー)が、妻として上手く舵をとってあげる事が肝心です。全てをブレイズに捧げる人生を選び、オーグナーと別れる苦渋の決断を下したデルフィンがこの事実を知ったら…ただの新人だと見くびっていたアシスの“マメマメしさ”に、卒倒してしまうことでしょう。スカイリムにも、夫婦共働きの時代の流れが……到来しました!
配偶者NPCたちは皆、見習うべき「良妻賢母の専業主婦(主夫)」でありますが、結婚すると家に閉じこもってしまうので…上記の方法を利用して、家庭の“外の世界”にも積極的に出かけさせたり、結婚後の人生に“居場所や生き甲斐”を作ってあげることができそうです。どんな人にも時には気分転換が必要だと思います。
ちなみに台詞の変化ですが、
「結婚生活の台詞」よりも、『ブレイズの台詞』の方が必ず優先されるようです。ブレイズになってしまうと、結婚後の新婚夫婦の甘い台詞が聞けなくなるのが残念です。しかし、「家庭料理」や「商売」などのDialogueが追加されたり、占有されなかった一部の「結婚後の台詞や反応」を時々見ることができるので…配偶者がブレイズにばかり固執している、冷め切った夫婦関係といった印象は…特に感じませんでした。
アシス「さて…今夜は、同胞団でも…主夫でも…ブレイズでもなく……♡」
(ガチャン……)(!!?)
リディア「ウォーーーッハァーーーッ!!!ご婦人はお疲れのようですよ、従士。」
アシス「(ビクッ!!…これじゃ、俺のプライべートな夫婦生活が…)ハハッ…居たのか……。な~んちゃって、もう寝るとしよう……おやすみ(涙)」
Questの優先度が等しいと、何故このような違いが生じるのか。―――その概要を把握するために、現在の状況を整理しつつ……謎を紐解いていきます。
【優先度が等しいQuest同士の関係】
「結婚生活Quest」“内”での引越しによる住居の変更は自由に対応できますが、「結婚生活Quest」と「ブレイズQuest」“同士”の変更においては、進める順番によって、住居の変更が『一度きり』になってしまう相違点が浮き彫りになりました。その背景には、2つのQuestの優先度が「45」で全く等しくなっている事が、大きく影響していそうです。
主な理由として考えられる事は、「ブレイズQuestが何らかの上書きを受けても、常に走り続ける」のに対し、「結婚生活QuestはScriptの処理ごとに、開始・終了する性質を持っているから」だと推測しています。
CKでQuestの実行を司る『SM Event Node』を確認してみると、ブレイズのQuestが
「NONE」、結婚のQuestは
「ScriptEvent」に属していました。「NONE」はゲーム開始時から実行され特定のConditionsが揃った時に、「ScriptEvent」は先行しているQuest内のScriptとStoryManagerよって起動するConditionsが整えられ、ON/OFFが調整されているようです。この分類が、謎の違いをもたらしていると思われます。
一度処理が走ったQuestは、設定された条件を常時確認しつつ、何らかの変化が訪れるまでは安定したQuestStageを維持し続けるようです。優先度が同じ場合、現在の状況を“強制的に割り込んで書き替える”ことができるのが、ScriptEventの性質の一つなのかもしれません。「結婚生活Quest」では、Scriptによって元々暮らしている場所から、新居で暮らすAIが開始される仕組みになっていました。加えて、後から『引越し』の会話選択肢により、場所を再指定することもできます。
結婚後にブレイズに入団すると、デフォルトのActorに設定されたAIが上書きされ、「ブレイズQuest」のAliasによるAIで、スカイ・ヘヴン聖堂へと居場所の変更が加わります。しかし、この時点では先行している「結婚生活Quest」の優先度がまだ上回っていることに加え、『引越し』をしていないので、Questに変更が生じていません。ブレイズQuest側の変化は静的な処理としてまだ挙動が伏せられており、目に見える状況は変化せずに、配偶者は指定された家で生活を送り続けます。
ところが、『引越し』の選択肢によって「住まい」に変更が加わると、『ScriptEvent』である「結婚生活Quest」は、生じた情報の更新時にいったん後ろに引っ込められ、持続的に走り続ける『NONE』の「ブレイズQuest」に置き換わってしまうという、『優先度の逆転』が起こるようなのです。(どことなく、CombatOverrideなどの戦闘AIの「切り替え」時の挙動とも似ています。)
そうなると、「結婚生活Quest」の一部の処理は「ブレイズQuest」に上書きされ、二度と『引越し』が行えなくなってしまうようです。一体、何故なのでしょうか?―――それは、『配偶者が死亡するまでは、結婚生活QuestのStageが変化することは無い』からだと考えられます。結婚後にブレイズへ入団させるという行為は、同時に『ブレイズQuestに、まだ進行可能な余地(情報更新される可能性)を残している』ことを意味しているのです。
逆転が起こる理由は、Quest同士の優先度が等しかったとしても…後から何らかの条件が変更されると、更新を受けたQuestやAIは“最新の情報を持つもの”として扱われ、更新されていないものより、わずかに優先される傾向に起因していそうです。
「結婚⇒ブレイズ」の場合は、結婚生活Questが安定したStageに入った状態で、後から配偶者がブレイズQuestの更新の影響を受けることになるので、『優先度の逆転』が起こります。先行していた結婚生活Questの処理に含まれる『引越し』は、ブレイズQuestによって完全に上書きされ、以降は正常に行えなくなります。
「ブレイズ⇒結婚」の場合(=『順番の鉄則』)は、配偶者がブレイズQuestで入団した後、結婚生活Questに移行するので更新の影響を受けず、『優先度の逆転』が起こりません。したがって、後発の結婚生活Quest側での「住まいの変更」などの条件の更新には、柔軟に対応できます。
以上のことから、一度でも『優先度の逆転』が起きてしまうと、「結婚生活Quest」はそれ以降、再び「ブレイズQuest」を上書きする術を失ってしまうのだと、※(自分の中では)納得できました。
※あくまで筆者の憶測に基づいた、主観的な考察・仮説になっています。何かの参考程度に!!m(_ _)m
【総括:結婚生活とのQuest連動】
これまでのプレイでは気が付きませんでしたが、特に新しい製作を行わなくても、「結婚生活AI」と「自作した生活改善AI」の両立を図れる仕組み(=『引越し』)が、既に存在していた事が分かりました。今回のテストでは、新たな“AI製作”への取り組みというよりも、元々あるAIを活かすための“単なる検証”に終始しましたが…NPCの興味深い一面を見れたので楽しかったです。テストプレイを行う前に、CKで「ブレイズ」と「結婚生活」Questの優先度が等しくなっている事実を知った時は、背筋が凍りついておりました…。紆余曲折を経て、最終的には『どちらの役割も果たすことができる指示方法』を見つけられたので、一件落着です!!アシスは、“モデルケース”の一人に過ぎません。もし記事を読まれた方は是非…これを機に「掛け持ちAI」の楽しさを体験してみてはいかがでしょうか?何故こんなにも面倒な事をくどくどと考えているのかは、筆者自身も不明ですが…スカイリムの登場人物たちが、複数の「派閥」に属しながら「結婚生活」を両立させ、プレイヤーの人生をさらに豊かにしてくれるであろうと……密かに期待を寄せています。
【定説上の欺まん】 vol.1~策士~
それは、アシスがニルヴァのために生活を試行錯誤している間の出来事だった。
―――雲地区・ドラゴンズリーチ―――
衛兵1号「ここだけの話…最近、暇を持て余した俺が“衛兵隊の予算が削減されている問題”について、カイウス指揮官に報告書を提出したところ…“総予算の帳尻が合っていない事実”が明るみに出た。“執政のプロベンタス氏”が、バルグルーフ首長とイリレス私兵に“着服の疑い”を咎められて…泣きながら弁解したらしいぞ。」
衛兵2号「プッ…それは笑える!低賃金でつまらん仕事ばかり回される、衛兵の俺たちが知ったことでは無いけどな。日頃から安全な玉座の近くで踏ん反り返ってるだけで、彼らにはゴールドがガバガバと入るんだから…いいザマだ。…んん?誰だ、お前は―――??」
道化エルフ「……分かるヨ、衛兵のアニキ達の気持ち。ホワイトランは、地区によって“貧富の格差”が激しイ。平野地区の狭い“兵舎暮らし”には、さぞかしウンザリしてるんジャない?…たった一度の人生だヨ。私と共に平凡な立場を逆転し…盤上の“駒を動かす側”に回ってみたいとは、思わナイかい?―――虚しイ“捨て駒”の人生とおさらばして、ネ。」
道化エルフ「(パサッ…×2)大丈夫、さぁコレを。私は、『スカイリムの法に抵触する様な、卑劣な行いはしない平和主義者』なんダ。簡単に儲けられる、“素晴らしい方法”を見つけたんだヨ!……ああ、でも決行に際し、厳守すべき“策”がアル。
“壱の策”は見つからないように必ず、
隠密を強化するフードを所持するコト。衛兵と言えど…万が一、兜を外されるヘマをやらかしたら顔や身元がバレて…マズイだろう?」
衛兵1号「何だか胡散臭いな。しかし、法の範囲内の行動なら…たいした害も無いだろう。乗った!!それで…どんな方法なんだ、お前の儲け話とやらは?」
道化エルフ「そのフードを被ったら、すぐに私の考えや計画が全て理解できるハズだよ……そして、“弐の策”は―――」
衛兵2号「!!!」
“外道を極めし者”、道化エルフが…“ある策略”を内密に、実行しようとしていた。
……つづく。