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耐性とは…何なんだ?⑧ ~【自飲実験Ⅰ】~

※この実験は筆者自身も未知の内容を多く含みます。ココが違う!こんなケースもあった!という発見がありましたら、是非教えてください! byファル粕

第三の実験『自飲実験』、始動―――



弟子「最初に、『ポーションの合方(同時服用)』に関する『自飲実験』を試みる。」

「白エルフ君は、この部屋にある巨大な水瓶と食材を使ってファルカス(プレイヤー)に飲ませるスープを作っておいてくれ。他の姉妹たちは、薬の準備、給仕、記録を頼む。」

四姉妹「わかったわ。」

弟子「耐性実験から使用している『自然回復停止mod』は検証するポーションに合わせて切り替えていこう。正確な値を測定するのには便利なのだが…そうしないと、薬によっては値が変動せず、検証に不具合が出てしまうこともあるからな。」

「実験方法について述べておこう。全てに共通して、始めに敵対状況を作り、戦闘態勢になってから行う(戦闘時の状況を再現)。敵対者に攻撃されない安全なところへ移動し、ファルカスにポーションを自飲してもらい、効果を調べる。」

ファ「案外…シンプルなやり方だな!」

弟子「組合せがいくつもあるから、試行回数はかなり多いぞ…(汗)」

【Case 1:Fortify系の同時服用】

<効力が等しい時>

自然回復停止Mod:ON
ポーション:強靭の薬×2(ヘルスが20ポイント、60秒間増加する)
実験方法:プレイヤーのヘルスを1000に設定、薬を服用して値の変動を観察し、効果を確認。

弟子「強靭の薬を飲むと現在のヘルスに+20される。例えば、ヘルスゲージの最大が100の場合、ヘルスが満タンの時に飲めば120。ヘルスが40の時に飲めば60となり、全快させると120になる。まとめると、『最大値の上限を突破する』ほかに『一時的に現在値をポイントの分、増強(回復)する』という裏効果も併せ持っている。……では、まず『一気飲み』をしてみてくれ。」

(ゴクゴク…)


ファ「一気に2本飲むと…薬の作用が出ている間、俺のヘルスの上限は1040にはならず、1020だった。切れると1000に戻った。飲むタイミングを少しずらしてみても上昇する値は増えなかった。」

弟子「なるほど。Fortify系では効力が等しい薬同士は、同時服用しても効果が倍増しないようだ。ただ、効果時間は飲んだ瞬間からのカウントにリセットされるようだ。」

ファ「じゃ、この系統の薬を『一気飲み』したら、無駄になるって訳だな!…なんてこった、今までどれだけのポーションを無駄にしてきたんだ俺は……」

弟子「効力が等しい場合に限り、その通りだ。だが、この系統の薬は効果が切れた時に元の値に一気に戻ってしまう特徴がある。『ずらし飲み』しておけば、ゲージが下がることを回避でき、途切れずに効果時間を延長できる利点がある。」

<効力に差がある時>

自然回復停止Mod:ON
ポーション:強靭の薬×1、強靭の溶液×1(体力が60ポイント、60秒間増加する)
実験方法:プレイヤーのヘルスを1000に設定、薬を服用して値の変動を観察し、効果を確認。

弟子「強靭の薬と強靭の溶液を『一気飲み』してみてくれ。」

(グビグビ…)
 

ファ「ん!?さっきよりも身体に余裕がある気が…!ヘルスは1060になってたぞ。」

弟子「今度は一本目に弱い薬を飲んだ後に『ずらし飲み』してみてくれ。二本目に、より強い効力を持つものを飲んだ場合はどうなるか?」

ファ「俺のヘルスは1000→1020→1060と変化した。これって一本目の効果が消えたってことか?」

弟子「一本目の効果は、二本目に飲んだ効果で、上書きされているように見えるな。では、飲む順番を逆にしてみてくれ。」

ファ「強い方を一本目にすると、最初からずっと1060のままだったぞ。」

弟子「以上の結果から…実際の効果としては、『飲む順番が後の薬の効果に上書きされるのではなく、効力の強いほうが出る』ことが分かった。」

「…が、先に飲んだ『強靭の溶液』の効果時間が終了すると…薬を飲んだ直後のエフェクトとともに、後に飲んだ弱い効力の『強靭の薬』の効果が現れる。このことから、『同時服用の場合には、効果が打ち消されたわけでなく、弱い方の効果が一時的にマスクされ、強い方の効果が優先的に発揮されている状態になっている』ということが分かる。」

ファ「見えないけど…2つの薬の効果はちゃんと発揮されてたんだな!でも、強い方を先に飲んだら損してないか?」

弟子「損しているようにも感じるが、そうとも言えない場合もある。瀕死の状態にあるときには…効力の強い方を先に使ってまず死の危険を免れる。そして、一本目の薬が切れたときに一気に-60されないように、二本目に弱い方の薬を飲んでおき、-40に留める。わずかな違いが命を繋ぎ止めるような非常事態に備えて、覚えておくと良い。」

ファ「・・・。瀕死の時に、そこまで頭が回るかどうか…」

弟子「難しく考える必要はない。君はウェアウルフに変身したときに受けていたダメージのせいで、人間に戻った時にいきなりヘルスが減って、焦った経験が…少なからずあるんじゃないか?…その現象と少し似ている。」

ファ「あれと同じように考えればいいのか!!生き延びるための知恵か…。」

弟子「ただしウェアウルフの変身と違って、自飲したポーションによる増強の場合、上昇させた値よりゲージが低くなっている状態で薬が切れたとしても…必ず『1ポイント』だけ残り、ふんばれる…!幸いにも、ポーションが原因となって死ぬことはない!『神の一滴』とも言えるな(ハハハッ)」

ファ「知らなかった…!!」

【Case 2:Restore系の同時服用】

自然回復停止Mod:ON
ポーション:回復の薬(小)×1、(大)×1
実験方法:プレイヤーのヘルスを1000に設定、Damageavで一定値減らした状態で、薬を服用して回復量を測定。



ファ「一番単純な結果だったな!回復の薬を2本飲めば、効力の分だけ回復した。」

弟子「そうだな。検証が楽で助かったよ!当たり前だが、上限値を超えて服用してもその分がストックされることはないからな。」

ファ「さすがに俺にだって…経験的にそれくらいは分かるぞ…(汗)」

【Case 3:Rate系の同時服用】

<効力が等しい時>

自然回復停止Mod:OFF
ポーション:賢者の薬×2(マジカの回復が50%、300秒間早くなる)
実験方法:forceavでプレイヤーの最大ゲージを5000に設定。ここからdamageavでマジカを1000まで下げ(あと4000pt回復できる状態)、任意の薬を摂取。あとは効果時間が終了するまでそのまま待機し、回復量と時間から回復率を求める。

ファ「このケースは自然回復する状態じゃないと測れないから、一番やっかいだよな~!…じゃあ、飲むぞ。」

(グィッ×2…)


「…何ッ!?ちゃんと2本飲んだのに、回復率が倍増してないぞ。…これもFortify系と同じか??」

弟子「そのようだ。UI上の表示も1本扱いのようになっているな。ずらして飲んでもやはり、時間が延長されるだけだ。Fortify系の中の一種『Rate系』というべきか、効き方はかなり似ているな。」

<効力に差がある時>

自然回復停止Mod:OFF
ポーション:賢者の薬×1、賢者の霊薬×1(マジカの回復が100%、300秒間早くなる)
実験方法:同上。

ファ「これも同じだ。Fortify系と同じで効力の強い方が出る!」

弟子「薬同士で効果を重複して高められないのが、残念なところだ。…それくらい強力な作用を持つ薬なのだろう…。この系統の効果は、エンチャントや祝福とは合わせることができるから、そちらと併用することでより効果的になる。」

【Case 4:Linger系の同時服用】

自然回復停止Mod:ON
ポーション:野菜スープ×2(720秒間ヘルスとスタミナを1ポイントずつ回復)
実験方法:forceavでプレイヤーの最大ゲージを5000に設定。ここからdamageavでゲージを1000まで下げ(あと4000pt回復できる状態)、任意の食べ物を摂取。あとは持続時間が終了するまでそのまま待機し、回復量を記録する。

弟子「以前に継続系の回復薬は存在していないと述べたが、食べ物の『スープ』がその役割を果たしてくれている。実はFortify系にもRate系にも継続時間があり、この3つは合わせてDuration系とも分類できる。」

「では…まずはこれから。野菜スープを1杯飲んでみてくれ。」

(ジュルルルッ…)


ファ「美味い…トマトのうま味とジャガイモの甘味…リーキとキャベツの食感がノルドの食欲をかきたてる!…力が湧いてきた…(うおお!) だけど、いつも通りだな。」

弟子「じゃあ次に、野菜スープを2杯『一気に』飲んでみてくれ。」

ファ「(ジュルル…×2)…ぷはっ。」

弟子「効果の違いはどんな感じだ?」

ファ「2杯飲んだら、何だか2倍元気に動けそうな気がするぞ!!(うおおおお!)」

「…最終的に俺のゲージは2440になった。最初のゲージが1000だから…えーと、1440pt回復したことになる。野菜スープ1杯分の回復量が2倍になったのと同じだな!最初の効果×2だ!!」

弟子「ふむ。その考え方もあるが、あくまで見かけ上の結果と言える。野菜スープを2杯同時に飲むと2倍の効果が得られ、『ヘルスとスタミナを2ptずつ回復』のような単純な計算だと思っているようだが…少し違う点もあるようだ。薬の効果が切れたのはいつだ?」

ファ「720秒後だったな…。それがどうかしたのか?」

弟子「『効力』は2倍になったが、『効果時間』は2倍にならなかっただろう?UIの表示も『耐性の併用』の時に属性耐性と魔法耐性が別計算になっていたのと同じで、飲んだ個数分、別々に表示されているようだ。これは一つ一つの効果が独立していて、それらが並行しながら効果を発揮していることを示唆している。ゆえにLinger系の場合のみ、『効力が等しいか否か』を考えなくても良さそうだ。今回のケースでは、野菜スープ1号と野菜スープ2号の『効果時間』の720秒が並行しているため、全体としての効果時間も720秒になる。『効力』は1号が1pt回復/秒、2号も1pt回復/秒であるため、1秒経過するごとに2pt回復することとなる。よって、同時に摂取した場合は『効果時間』は等しく、見かけ上の『効力』はあたかも『倍増』した値になっているのだ!」
 

「飲むタイミングをずらしてみると…それが良く分かる。」

 例:野菜スープを1杯飲み、280秒後に2杯目を飲んだ時の効果の現れ方 
 

「言い換えれば…Duration系(Fortify系もRate系も含まれる)は、複数のポーションを同時服用した場合、効果は『独立並行型』なのだ!!中でも、『Linger系は効力(回復量)の重ねがけが可能』という特徴があり、野菜スープを2つ同時に飲むと…より高い回復量を得ることができる。どちらかが打ち消されて無駄になる可能性も想定していたが、ちゃんと両方の効果が発揮されていた(驚)」

「単体では微々たる効果だが……重ねがけできるポーションは最も恐ろしい力を秘めている…!本人に飲む気力さえあれば…2杯だろうが10杯だろうが…どんどん効力が高められる。また、野菜スープとほぼ効果が似ている『鹿肉のシチュー』と合わせ飲みした場合も、同時服用に関しては同じ結果が得られた。一気飲みの場合を計算式にすると…
            
継続時間(s)  ×  1杯の効力(pt/s)  ×  使用数 =  総回復量(pt)

で、『同系統かつ効力も等しいポーションを同時服用した時の総回復量』を求めることができる。」

(例1) ホーカーのシチュー6杯を飲んだ時のヘルス総回復量
     
  { 15 +( 720 × 1 )}× 6 = 4410pt

(例2) 野菜スープ4杯と鹿肉のシチュー3杯を合わせ飲みした時のスタミナ総回復量
    
  { 720 × 1 }× 4 + { 15 +( 720 × 1 )}× 3 = 2880 + 2205 = 5085pt

弟子「このすさまじい回復量を見てくれ…。1杯で回復の薬(極限)の約5本分に相当する。…時間はかかるけどな。」
 
ファ「そいつはすごい…!戦況に応じて『ずらし飲み』と『一気飲み』を使い分けられそうだな!前者は間合いを取りつつ…スピードと手数で応戦する長期戦に有効だ。後者は相手を怯ませる必要がある接近戦や逃走時など消耗が激しい時にいいかもな…!!」

弟子「いいぞ!だんだん“錬金戦士”に近づいてきたな!」

 

…つづく!!

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